成蹊大学新聞会ブログ

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教授の対談1

 さて今回は、前回のブログでお伝えした7月号で掲載中の「教授の対談」の全貌をお届けします。実は紙面に掲載したものは、対談で話していただいた内容の3分の1ほどでした(笑)。そこで今日から数回に分けて、泣く泣くカットした対談の内容を掲載していきます。

 この対談企画は今回が第1回目。学生が身近に感じるテーマや問題について、本学の教授方に議論していただくというものです。第1回は「吉祥寺の今と未来」と題し、現在吉祥寺に住んでいる文学部の高田昭彦教授と見城武秀准教授をお迎えしました。

 7月号をご覧いただいた方は、紙面と重複する部分もありますが、ご了承ください。

 

カウンターカルチャーの街
記者:高田先生が初めて吉祥寺に来たのは?
高田教授(以下:高):最初に来たのは1970年かな。成蹊に来たのは76年。大学院生時代に吉祥寺のカウンターカルチャーの研究をしていて、吉祥寺に来るようになったね。
見城准教授(以下:見):吉祥寺は70年代はカウンターカルチャーの拠点だったんですかね。
記者カウンターカルチャーとはなんですか。
エコロジーですよ。できるだけシンプルな暮らしをするっていう。70年安保の改正のときに挫折した連中が、自分の意識を変えるところから世界を変えるってところから始まった。できるだけ自然に、平等に。出産もラマーズ法っていうのが流行ってて、自然分娩とか。食も地産地消したり、ヒッピーたちが西荻窪で八百屋をやってたりね。

 

▼吉祥寺のよいところ
:吉祥寺は中央線の文化と井の頭線というか渋谷系の文化が混在しているのが面白いですよね。
:なるほど。吉祥寺がホッとすると言われるのは、田舎風なところがあるからかもしれないな。
:そうなんですよ。ゆる~いんですよ。ジャージでデパート行けちゃいそうですもんね(笑)
:井の頭公園みたいに緑があるのが大きいな。あんな公園のある繁華街はほかにないよね。
:吉祥寺の外に出なくても用は足りちゃうし。
:今ならアマゾンがあるから本屋にもわざわざ行かないし。しいて言うなら映画館かな。立川は北口にシネコンが二つあるよね。伊勢丹は立川の方を重視したのかもな。
:売り上げで言ったら立川や町田の方が大きいですからね。
:あそこは後背地があるしね。吉祥寺は開発されつくしてるから、武蔵野市の人口はいつまでたっても13万人台(笑)。あとはもう三鷹みたいにでかいマンションを建てるしかない。
:立川や町田も便利ですけどね。でもああいう大型店中心じゃなくて、ハモニカ横丁みたいなのがあるのが吉祥寺のいいところですよね。
:あれはもう権利が錯綜していて開発できない。
:井の頭公園となだらかに続く住宅地。そういう意味では懐の広い街ですよね。年齢を問わず、中高生も大学生も年配もいる。吉祥寺の悪いところは、一度住んでしまうとそこから離れたくなくなるところですね。

 

▼自分の居場所を探して
:色んな人がいて、それぞれに居場所がある。
:そう。それぞれの居場所をみつけられる。見城さんの居場所は?
:家族でよく行く沖縄料理屋の「てぃーだかんかん」ってあるんですけど、のんびりしてていいですよ。
:いつから吉祥寺に住み始めたんだっけ?
:1996年に成蹊に来て、翌年からですね。もう14年選手です(笑)
:僕は76年からだからちょうど20年違うわけか。
:そりゃ高田先生は大ベテランだから。
:僕の居場所っていうと「いせや」になっちゃうから(一同爆笑)。だけど吉祥寺の特徴っていうとさ、回遊性っていうのがあるよね。それが立川とは違う。駅前にビルがバンってあるんじゃなくて、大きな集客施設が離れてぽんぽんとあって、それを結ぶという形で人が動くという。だから商店と大型店が共存するんだ。実際は難しいよね。
:広さもちょうどいいですよね。駅から500メートルぐらいで行きつくせちゃうくらい。その中に本屋あり飲食店ありファッション系あり。
記者:電車使って新宿や渋谷にも出やすいですね。
:普通は渋谷に行くけどね。新宿は行くと疲れる。
:渋谷も疲れます(笑)
:渋谷は井の頭線に乗れるから。なんで成蹊学園前はないのかねぇ。
記者:駅から大学が近くなると助かりますね。
:そうかなぁ。ちょうどいいと思うけど。
:吉祥寺はよく下北沢や自由が丘と比較されるよね。それでも吉祥寺が住みたい街ナンバーワン。
:本当に住みやすいですね。

 

今回はとりあえずここまでicon

次回をお楽しみにiconicon

 

 

≪略歴≫

●高田昭彦教授・・・1947年、倉敷市生まれ。72年、東京大学大学院社会学研究科博士課程満期退学。76年、文学部文化学科専任講師、1986年より教授。担当講義は現代社会論、環境社会学NPO社会学など。

●見城武秀准教授・・・1965年、群馬県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中途退学。96年に本学に就任。担当講義はコミュニケーション論、メディア・リテラシー実習など。