成蹊大学新聞会ブログ

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元へんの徒然コラム (第一回)

 2012年度と2013年度に編集長と務めさせていただきましたヤスさんさんです。

 紙面からは引退したわけですので、ブログに何か新しいことを仕掛けていこうかなと。

 そこで、記事をじみーっにアップしていこうかと思います。元ヘンの徒然コラム。

 時事ネタや季節について細かいことは抜きで感じたこと思ったことをつぶやいていくかんじで。

 第一回の始まり始まり、です。

 

 第一回 鯨肉消費は副次的、科学調査は!?

 

 1月22日付読売新聞(夕刊)が鯨肉をイスラム教徒が食しても大丈夫なように「ハラールの認証を取得した」と報じました。件の夕刊11面を確認してみると、どうやら観光で日本を訪れるイスラム教徒の人々にも鯨肉のよさを知ってもらい、国内消費のすそ野を増やすのが狙いのようです。(※南極海で調査捕鯨をする日新丸の船内で加工された鯨肉のみ)

 

 鯨を獲るか獲らないか、調査でも近海や遠洋かで捕鯨の意味合いも異なりますが、国際捕鯨取締条約では調査捕鯨で得られた鯨を加工することは認められていますし、その金銭を管理して締約国政府が処理することも認められていることです。というか、ブラックマーケットや乱獲を防ぐためでしょうか、利用の徹底が原則扱いになっています。調査捕鯨は科学的研究が目的であり、

鯨肉の販売は予算確保の副次的なものに過ぎない。こういう流れで成り立っていると思います。しかし、今回のハラール認証取得の記事では逆の印象を持ちました。

 それは販売が主となり、調査が副次的という印象です。

 どういうことかというと、建前上は海洋資源の調査・管理があるわけですが、この認証を取得した説明が露骨な商業主義を感じさせるのです。たとえば、「我が国には陸に揚がった鯨(鯨に限らずですが)を解体して糧としてきた歴史がありまして、鯨やイルカを漁業として営んできた地域もあり、気分を害される人もいるのは十分承知していますが、今でも文化や記憶として根付いている

ので、理解のほどを云々」という感じで、異文化理解に努めるのかと思いきや、「国内消費の拡大」を前面に押し出している所が解せないわけです。

 国内に流通させているからには利益を上げることも重要ですが、国際社会で賛否両論があるシビアな問題なだけに、「消費拡大」という露骨な欲求ではなく、調査費を工面するために、また、沿岸の鯨と遠洋の鯨の違い(たとえば、水銀などの有害物質の汚染度の違いなど)を比較研究する予算を工面するためという説明が前面にあるべきだと思います。そんで、伝統文化を政治的、社会的、国際的な問題にしないためにも、厳格な線引きの上で消費される鯨肉というスタンスが国内、国外に向けて発信されることが重要ではないか、と考えました。(保元誠)

 

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 ちなみに、記者は鯨肉を一回しか食べたことないですね~。鯨のベーコンです。何でしょうか、両親は鯨の竜田揚げの話をしますが、私の時代(1990年代以降)は牛肉と豚肉、鶏肉にとってかわられていましたらね~。あと魚肉。海生ほ乳類を食べる習慣はなかったわけで。個人的には珍味という価値基準なので、毛嫌いするつもりはないですわ~。

 

 酪酸ビンを投げ、信号弾を撃ち込んできて、終いには乗り込んでくる抗議者たちに説明し続けるなんて、という意見には一理ありますが、逮捕して裁判にかけてどうにかなる話でもないですからね。日本がそこまで高圧的にする必要はないとは思います。それこそ、

今はやりの「相手を利するだけ」になりかねませんから。